主題/根拠/結論
小論文は、
(1)主題(問題)
(2)根拠(理由・例証)
(3)結論(主張・意見)
の3つが「ある」ことが重要で、これらが一貫した流れで書かれていれば小論文は成立します。
(失格にはなりません)
「結論的意見(主張)」が最初にだけ書かれることを「頭括型」といい、「結論的意見(主張)」が最後にだけ書かれることを「尾括型」といいます。「結論的意見(主張)」が最初にも最後にもあれば「双括型」といいます。
「どちらかと言えば」という程度にすぎませんが、「頭括型」は「先に結論を提示し、そのようになる理由を示し、それにあてはまる個別の事象を挙げる」という「演繹的な書き方」をする場合に向いています。
一方で、「尾括型」は「個別の事象をヒントにして、そこから一般性のある理由を導き出し、結論につなげる」という「推論的な書き方」をする場合に向いています。
よく
問題 → 背景 → 解決策
の「3部構成」で書いてあるのを見るけど、あれば「尾括型」なんだね。
そうですね。
問題 → 背景 → 解決策
の場合、「背景」は「問題の原因分析」になりますから、「解決策」という「結論」に対する「根拠」になりますね。「尾括型」です。
でも、英作文とかだと、「言いたいことは先に書け」って言われるよね。
英語だと、「最も言いたいこと」を最初に示すことが普通なので、このなかでいえば「頭括型」がベースになります。「あれこれ論証する前に結論を出しておくスタイル」ですね。
ただ、英語でいうパラグラフ・ライティングだと、最後にも結論を繰り返すのが自然なので、基本的には「双括型」です。
入試の小論文だとどれで書くのがいいの?
目安ではありますけど、こんなふうに考えておくといいと思います。
全体のパラグラフが1つか2つ・・・「頭括型」「尾括型」どちらでもよい。
全体のパラグラフが3つ・・・「頭括型」「尾括型」「双括型」どれでもよい。
全体のパラグラフが4つ以上・・・「双括型」が望ましい。
「頭括」と「尾括」でどっちが好まれるとかはないの?
どちらでもいいです。
全体のパラグラフがせいぜい「1つ~3つ」くらいであれば、「主張(結論)」が「最初」にしかなくても、「最後」にしかなくても、すぐに目に入るから問題ないです。
じゃあ、全体のパラグラフが4つ以上になるなら、「最初のほう」にも「最後のほう」にも「結論的意見」があるといいんだな。
そのほうが無難です。
なお、「双括型」について、「結論的意見」を「最初のほうでしっかり説明しておく(ラストのほうがおまけになる)」のであれば「頭括型ベース」だと言えますし、「結論的意見」を「ラストでしっかり説明する(最初のほうがおまけになる)」のであれば「尾括型ベース」だと言えます。
パラグラフが4つ以上の場合は「双括型」が望ましいのですが、さらに言うと、パラグラフが5つ、6つと増えれば増えるほど、「尾括型ベース」で書くのは苦しくなってきます。
したがって、全体のパラグラフが多くなるのであれば、「まとめ直前まで」のところを「頭括型」で考えていって、「まとめ」で「結論的意見を簡潔に繰り返す」とするほうが構成しやすいです。
つまり、全体の字数が長い場合は、「頭括型」をベースにした「双括型」で構成するほうがスムーズです。
ふむふむ。
小論文の「大きな」構成について
序論/本論/結論
先ほどから「パラグラフが1つ、2つ、3つ、4つ、5つ」などと言っているのですが、
どのような字数(パラグラフ数)になるとしても、「全体のパート構成」は「3つ」で考えましょう。
一般的に、「序論」「本論」「結論」と呼びます。
【序論】 Introduction 主題(問題) (+結論的意見・理由)
【本論】 Body 理由の説明・具体例(例証)
【結論】 Conclusion 結論的意見
ん?
じゃあ全体のパラグラフが「5つ」ある場合にはどうすればいいの?
パラグラフ① 序論
パラグラフ② 本論1
パラグラフ③ 本論2
パラグラフ④ 本論3
パラグラフ⑤ 結論
というように、「本論」で「3つの話題」に分けます。
真ん中の「本論:Body」は、パラグラフを複数に分けてもいいということなんだね。
じゃあ逆に、全体のパラグラフが「2つ」しか作れない場合はどうすればいいの?
次のどちらかでOKです。
〈Aパターン〉
パラグラフ① 序論+本論
パラグラフ② 結論
〈Bパターン〉
パラグラフ① 序論
パラグラフ② 本論+結論
それぞれどんなことを書くべきなの?
それについてはページを分けてお話します!