序論について 【小論文】

【序論】 主題(問題提起) (+ 結論的意見・理由)

「序論:Introduction」にまず必要なのは、「主題(テーマ)」です。「主題」とは、「何について・・・論じるのか」という土台であり、「議題」や「問題」といってもいいですね。「課題文」があれば「課題文の要約」がそのまま「主題」になることもあります。

「主題」は「問題提起」と言ってもいいです。ただ、「問題提起」といっても、表現のうえで「~とは~だろうか?」という疑問文を必ず登場させなければならないわけではありません。
(どちらかというと「疑問文をいちいち書かなくていいケース」のほうが多いのですが、それについては後述します)

入試小論文の場合、主に次の3つのうちのどれかが「主題」になります。

(1)困っていること(解決策を考える)
(2)賛否に分かれること(再解釈/批判をする)
(3)何だかよくわからないもの(意味づけ・価値づけをする)

試験の場合「設問」がありますから、その「設問」に応じて、(1)(2)(3)のどのパターンでいくか区別していきましょう。

(1)なら、「プラスチックごみをどう処理するか」
(2)なら、「死刑の是非についてどう考えるか」
(3)なら、「勉強は何のためにするのか」

なんていうものかな。

そういう感じです。

(3)については、「自由とは何か」なんていうのも含まれますね。「自由とは~である」と自分なりに意味付けして、その根拠を挙げていきます。

じゃあ、「結論」については、その「主題」に対する「自分なりの意見」を書けばいいんだな。

そのとおりです。

「結論的意見」というものは、論文作成者の意見の「核」となるもので、具体的には、

(1)解決策(改善案)
(2)賛否(再解釈/批判)
(3)意味づけ(定義)

のどれかになります。

このどれかがあれば「結論的意見がある」とみなされます。

逆に言うと、この(1)(2)(3)のどれも存在しない小論文は、点数をもらうことができません。どれかは書くようにしましょう。

「主題」と「結論的意見」で対応していればいいんだな。

そうです。

「主題(問い)」が、「プラスチックごみ問題についてどう考えるか?」というものであれば、「自然に還っていかないプラスチックのごみで社会全体が困っている」ことがテーマになりますから、「結論的意見」は(1)の「解決策」を書けばいいことになります。

「主題(問い)」が、「制服はあるほうがいいか、ないほうがいいか?」というものであれば、「賛成/反対」の真っ二つに分かれていますね。このように、賛成/反対の二項に分けられるテーマであれば、「結論的意見」は(2)の「賛否(再解釈/批判)」を書けばいいことになります。

「主題(問い)」が、「勉強は何のためにするのか」というものであれば、「勉強」の「意味」や「価値」を見出すことが主題になります。その場合、「勉強は、社会に貢献できる存在になるためにするものである」といったように、意味づけをすればいいことになります。「結論的意見」は(3)になります。

(1)「困っていること」が主題なら、その解決策を出す

(2)「再解釈か批判」が主題なら、賛否を明らかにする

(3)「何だかよくわからないもの」が主題なら、その意味や価値を見出す

ということだな。

そのとおりです。

小論文は、必ずこの3つのうちのどれかで書くことができます。

(2)については、「対立していること」の「あいだ」に入って、「両者を融合させたよりよい案」を考える手法もありますが、これはちょっと応用的な書き方なので、ここでの説明は省きます。

「3パターンのどれか」と心がけておけば、書き出すのが早くなりそうだね。

「結論的意見」は「序論」に出しておくのが親切

なお、「結論的意見」は「論理のゴール」になるものなのですが、先に示しておいた方がわかりやすいので、「序論」にも書いておくと親切です。

なお、そうやって「序論」のほうで「結論的意見」を出してしまって、「エンディングのほうには書かない」とした場合には、「頭括型」の文章とみなされます。

「序論」にも「結論」にも「結論的意見」を提示するのであれば、「双括型」の文章だといえます。

したがって、「結論的意見」は、「頭括型」なら「序論で1回」、「尾括型」なら「結論で1回」、「双括型」なら「序論と結論で合計2回」登場することになります。

どのパターンであっても、「結論的意見」は必ず一文で書きましょう

「序論」については、根本的には「問題」が示されていればOKなのですが、「結論的意見」まで示して終わりにするといいですね。

字数に余裕があれば「理由」についてもチラッと書いておくといいですよ。

「序論」に「理由」まで書いちゃっていいのか。

基本的には、このあとの「本論:Body」で「理由」について具体的に説明していくのですね。ですから、本来であれば「序論」に「理由」を書く必要はないです。

ただ、さきほど「序論」に「結論的意見」を示しておいたほうが「親切」と言いましたよね。それと同様に、「理由」についても「序論」で軽くふれておくとわかりやすさが増します。

といっても、「理由」についてしっかり説明していくのは「本論:Body」なので、「序論」の最後に「理由」を示す場合には、端的にあっさりと「紹介程度」にしておくのが自然です。

小論文の配置としては、「主張(結論)」の「次」に「理由の表現を書く」という「一般的な並び」があります。

ただし、この「理由の表現」は、「主張(核)」の「次」に書かれていればよいので、「主張」と「理由」のあいだで段落が変わっていても問題ありません。そのため、「なぜなら、~からだ」という「理由パート」は、「Introductionの最後・・にあっても、「Bodyの最初・・にあっても、どちらでもOKです。

おすすめの書き方としては、「Introduction」の最後で、「理由」について軽くふれておくといいですよ。

「なぜなら、~であるからだ」というように、理由をコンパクトに書いてしまってもいいですね。そうすると読者は、「Bodyの部分で、その理由について具体的に深掘りしていくんだな」と予測できます。

あるいは、「理由は3つある」というように、「理由の数」を書くのもOKです。そうすると読者は、「Bodyの部分で、3つの理由をそれぞれ説明していくんだな」と予測できます。

「問い」の明示について

「問題提起」では必ずしも「問い」の表現を必要としないということなんだけど、どういう場合は書かなくてもいいの?

誤解がないように念押ししておくと、「小論文」に「問い」は必須です。「問いのない小論文」というものはありません。ただし、それが「表現」として表に出てくるかどうかは別問題です。

たとえば、社会問題になっていることなどをテーマとして書けば、「~だろうか」という表現にしなくても「問題提起」として機能していることになります。

そういう意味で、先に挙げたような

A.難しい社会問題
B.対立が起きている議論
C.意味づけが難しい言葉や現象


のどれかを「テーマ」として書く場合、「~だろうか」という表現が出てこなくてもいいケースが多いです。

「~だろうか。」といった表現はなくてもいいということだね。

ケースバイケースですが、入試問題だと8割がた必要ありません。

どうしてかというと、「設問」があるからです。

「芸術とは何か述べよ」などという自由度の高い小論文は稀で、多くの場合は「課題文を読み、筆者の意見に反対の立場で論ぜよ。」とか、「課題文の状況下では、一般市民はどのように行動すべきだろうか。考えを示せ。」といったように、「設問」の段階でかなり規定されているのですね。

この「設問」の段階で、「○○は△△だろうか。」などと問われていれば、それがそのまま「問題提起」なわけですから、作成する小論文の中に、いちいちその問いを繰り返す必要はありません。

たしかにいらないな。

「問い」の表現がどうしても必要になる場合には、構成上は「主張」の前に置くことが自然です。「主張」よりも後ろに問いの表現がくることは避けましょう。

なるほどね。

   

「問い」の表現を明示しなくてもよいケース

①設問がそもそも問いである場合

設問を論文中で繰り返す必要はありません。

②何らかの主張(課題文)に対してYes or No の立場を取る場合

「賛成/反対」という主張をした時点で、「課題文の主張は正しいか」という問題提起であったことが自明となるため、わざわざ述べなくても問題ありません。

③社会的に見解が分かれているテーマにおいて、X or Y のどちらかの立場を取る場合

「x/y」の立場を取るという主張をした時点で、「どちらの立場を取るべきか」という問題提起であったことが自明となるため、わざわざ述べなくても問題ありません。

④何らかの言葉の解釈をする場合

たとえば「自由について述べよ」といった設問に答える場合、「自由とは不自由からの脱出である」などと定義した時点で、「自由とは何か」という問題提起であったことが自明となるため、「自由とはいったいなんだろうか」などという問いを書かなくても問題ありません。

多くの場合、小論文は、上記①②③④のケースに当てはまります。それゆえ、多くの場合、文章内に「問い」は不要となります。

書いても減点されるわけではありませんので、自身の答案内に「問い」を書いたほうが、表現上の収まりがよいと考えられる場合は書きましょう。

また、非常にまれなケースですが、設問の条件に、「適切な問いを立てたうえで」などの条件が付いている場合は、もちろん、論文内に問いを書くことになります。その場合は、「Introduction」の内部で、「主張」の前に示しておきましょう。