「答えにくい問い」はどうすれば? 【小論文】

なんかこう、「答えにくい問い」ってあるよね。

「日本の近代について」とか「大学について」とか、テーマが広い場合はどうすればいいんだ。

「序論」のところで話したことなのですが、小論文は、以下の3つのパターンのどれかにあてはまります。

(1)困っていること → 解決策
(2)賛否にわかれるもの → 再解釈/批判
(3)なんだかわからないもの → 意味づけ・価値づけ

たとえば「大学について考えることを述べよ」という「問い」に答える場合、この(1)(2)(3)のどれかに持ち込めばいいことになります。

仮に(1)にあてはめるならば、現状の大学について「困っていること」を見つけ出して、その「解決策」を講じていけば小論文になります。

あるいは、対照的な大学を2つ明示して、「〈教養を深めることに主眼をおく大学A〉と、〈社会生活で有用になる技能を高める大学B〉とがあるが、私は〈大学A〉を本来的な大学であると考える。なぜなら~」という具合に、「賛否」に持ち込むことも可能です。これは(2)の書き方ですね。

あるいは、「大学とは人脈をつくる場である」などと、「独自の定義」をして、「大学の意味・価値」を論じていくこともできます。これは(3)の書き方ですね。

解決策を導き出せるような「問題点」が見当たらないテーマだったら、(2)とか(3)に持ち込めばいいんだね。

たとえば、「自由とは何かについて述べよ」とか。

そうですね・・・。

「自由とは何か」などであれば、「困っていること」と「その解決策」という書き方は難しいですね。

(2)のスタイルで、「異なる2つの意見」


事実 → 主張 → 根拠

という「いつものスタイル」に持ち込めるといいですね。

「事実」って言われてもなあ。

「自由」の「事実」だと……。

ちょっと「何」を「言っている」のかわからねーぜ。

「すでにある意見」を「事実」とみなす手がありますよ。

たとえば、「自由とは何にも拘束されていない状態である」と一般的に思われているでしょう。

これに対して、「賛成」か「反対」をすれば、それが「主張」になります。

このように、「一般論」を前提にして、賛成か反対をしていくのが、典型的な方法ですね。

ちょっと上級者向けになると、哲学者とか学者などの著名な人が言っていたことを「前提」にして、賛成か反対をしていくという方法もあります。

その場合、「解決策」はどうすれば?

「自由とは何か」という問いに対して、「自由とは~である」と答える小論文の場合、「困っていること」に対しての「策」を出すものではありません。

ただ、「解釈が様々な難しい言葉」に対して、「その言葉はこういう意味です」という自分なりの「答え」を出すという点では、「自分なりの解釈」というものが、「解決策」と同じような役割を持ちますね。

小論文テーマ3つの分類

A.難しい社会問題に対しての「解決」を書くもの
B.対立が起きている議論のどちらかの「立場」に立つもの
C.意味づけが難しい言葉や現象の「意味・価値」を書くもの