全体像(推奨される構成)
小論文の〈推奨構成〉は次のとおりです。
「とても短い小論文」の場合はこうならないこともありますが、パラグラフを3つ以上にできるのであれば、この構成が「基本型」になると考えましょう。
【最初のパート】パラグラフは1つ
(1)論点(何について述べるのか) 文は複数可
(2)主張(要するに何が言いたいのか) 文は1つ
(3)理由(主張が成り立つのはなぜか) 文は1つ
【真ん中のパート】パラグラフは1つ~3つくらい
(4)正当化(理由についてさらにくわしく述べる) 文は複数可
(5)個別の事象(例示・データを提示する) 文は複数可
【最後のパート】パラグラフは1つ
(6)理由(理由を概括的に述べる) 文は1つ/なくてもよい
(7)論点+主張(要するに何が言いたいのかをもう一度述べる) 文は1つ

以下には、この構成についての細かい話をしていきます。
必ずいるもの 論点/主張/理由
「小論文」とは文字通り「小さな論文」です。
「論」とは、何らかの「論点」に対して「ある主張」をし、それを「論証」するものです。「論証」にはいくつかの手段がありますが、何よりもまず「理由」を述べることが大切です。
さしあたって、次の3つを備えていれば「小論文」とみなされます。
(1)論点(議題・問題) Issue
(2)主張(結論・答え) Claim
(3)理由(論拠・根拠) Reason

大雑把にいうと、これが「論」の「要点」です。この「3つ」があれば、ひとまず「小論文」の最低条件はクリアしていることになります。
あるといいもの 正当化/個別の事象
上記の「3つ」があれば「小論文」が「成立」していることになりますが、それだけでは説得力が足りません。
そこで、次の2つを補足すると、いっそう伝わりやすい(論証の強度が高い)小論文になります。
(4)正当化(理由の説明) Warrant
(5)個別の事象(例示) Example

(1)から(5)までを順番に書くと、流れとしては「抽象 → 具体」に段階的に述べていくことになります。
いわば「Claim」を一種の「定理」として、「個別の事象」に当てはめていくので、「演繹的な論じ方」であると言えます。
「5つの要素」の役割について、それぞれ細かく言うと次のとおりです。
5つの要素
論点 Issue
「論点」は、「何について論じるのか」の「何について」の部分になります。
試験の小論文では「設問(Prompt/Essay question)」がありますので、それに応じるかたちで「論点」をつくります。設問そのものを繰り返す必要はありません。課題文がある場合、そこから「論点」となるべき事柄を抽出します。

これを「問題提起(Problem Statement)」と呼ぶことも多いです。
ただ、「Problem」というのは「解決しなければならない問題」を意味することになるのですが、小論文の題材は常に「Problem」になるわけではありません。
たとえば、「部活動の意義は何か」「制服に賛成か反対か」といったことを考える場合、これらのテーマは「解決」が目指されるわけではないですね。
このように「小論文」では、「解決すべき問題」がメインテーマになるとは限らないので、ここでは「議論の対象となる論点」を示すものとして「Issue」を用いています。
さて、小論文の「論点」は、「Claim」との「応答関係」を意識して設定しましょう。「論点」の設定については、主に次の3種類に大別できます。
〈論点設定の3パターン〉
(ⅰ)概念整理型
「自由とは何か」「文学の価値とは」など
(ⅱ)比較検討型
「裁判員制度の是非」「制服は必要か」など
(ⅲ)課題解決型
「プラスチックごみの海洋投棄について」など

「論点」をどう設定するのかによって、「Claim」以降の書き方も変わってきます。
そのため「論点」について(ⅰ)(ⅱ)(ⅲ)のどれにするかを考えるのは、とても大切な作業になります。
主張 Claim
「主張」のことです。「問い」に対する「答え」にあたるものなので、「最も重要な一文」になります。いわば「核(Core)」になるものです。

「主張」は、「論文」の世界では「Thesis Statement」と呼びます。「論文内で最も重要な文(主題文)」というイメージです。
「小論文」でも「Thesis Statement」と呼んでかまわないのですが、小論文の場合は「体験から得たことを述べよ」といった日常色の濃い課題(作文的なもの)も多く扱うので、ここでは一般の会話でもよく使用される「Claim」という語を使用しています。
さて、「Claim」は、先ほど3つに分けた「論点の種類」によって、どう答えるべきかが定まります。
(ⅰ)概念整理
→ 「Claim」は「意味づけ・価値づけ」
自由とは拘束からの解放である。
文学を読むことには、個の尊厳にふれる価値がある。
(ⅱ)比較検討
→ 「Claim」は「選択的立場の表明」
裁判員制度に反対する。
発電方法は地熱発電所を推奨する。
(ⅲ)課題解決
→ 「Claim」は「プランの提示」
ごみの放置を減らすために、デポジット制の導入を提案する。
学力の向上のためは、朝テストを習慣化するとよい。
理由 Reason
「理由」のことです。長くならないようにシンプルに述べます。「なぜなら~から」「理由は~」など、「理由」であることがわかる表現で書きましょう。
なお、後述する「Warrant」も「理由の一形態」だといえますが、小論文を構成をする際には次元を分けたほうが考えやすいので、ここでは別の構成要素として扱います。
「Warrant」と分けて考える場合、この「Reason」については、「くわしさ」がなくてかまいません。それをくわしく説明するのは「Warrant」の役割になるからです。
正当化 Warrant
「Warrant」というのは「理由」のなかでも「論拠」といえるもので、「正当性の保証」という意味を持ちます。あまり難しく考えすぎず、「理由をくわしく説明したもの」ととらえて大丈夫です。
小論文のなかでは、主に次の2つの役割を持ちます。
(1)「Claim」と「Reason」の関係があるとき、その理屈に「正当性(もっともらしさ)」を付け加える。
(2)「個別の事象」に基づいて「Claim」がなされるとき、その「つながり」に「正当性(もっともらしさ)」を付け加える。
*つまり、「Warrant」があることによって、「〈理由の内容〉がくわしくわかる」のであり、また「文章内における〈個別の事象〉の役割がわかる」ことになる。

要するに「Warrant」のところは、読者に「ああなるほど」と思ってもらうための説明部分になります。
たとえば「A社のポテトチップを買おう」と「主張」するとき、「最もおいしいから」という「理由」を挙げたとします。
その際、「どうして最もおいしいと言えるのか」を説明するのが「warrant」だと考えましょう。「A社」「B社」「C社」と対比するなどして、「A社」の優位性を説明すれば「Warrant」にあたります。
さて、「Warrant」の書き方については、「論点のパターン」に応じて「使用しやすい考察方法」があります。主に次の3つのやり方です。
(ⅰ)深める
(ⅱ)比べる
(ⅲ)つなげる
(ⅰ)深める Descriptive (記述型)
「概念整理型」に向いている書き方です。
「あることば/ある事柄」に対する「自分なりの意味づけ(定義)・価値づけ」をしっかり述べるときに向いています。「プラン」の「メリット」をしっかり述べるときなどにも用いやすいです。
たとえば「この車を買いたい」と主張し、「とてもいい車だからだ」という理由を述べたとして、その車の魅力をひたすら語っていくのが「(ⅰ)深める」の書き方です。
「(ⅰ)深める」で重要になるのは「例示(個別の事象)」です。ただ「考え」を羅列するだけでは、読者がイメージしにくいからです。「例示」はそもそも小論文に必要なものですが、この「(ⅰ)深める」の説明方法を採用する場合は特に重要だと考えましょう。

「(ⅰ)深める」の書き方は、「課題文があり、それに賛成の立場で書く」場合などにも使いやすいです。
「課題文に賛成」する場合、「筆者の論を価値づけする文」を置き、そのうえで「筆者の論理が本文とは別の例示にも該当すること」を明示します。
このように、「Warrant」は、「Example」に至る「前フリ」としての役割を持ちます。
(ⅱ)比べる Comparative (比較型)
「比較検討型」に向いている書き方です。
「相手の意見に反論し、自説の優位性を述べるとき」「いくつかの項目からひとつを選ぶとき」などに向いています。
たとえば「裁判員制度の是非」など、賛否の立場に分かれる問題を扱う場合には、「(ⅱ)比べる」の書き方を用いましょう。あるいは「課題文があり、それに反対の立場で書く」場合にも、使用しやすい書き方です。ほかにも、「最もよい発電所はどのようなものか」など、複数の候補から1つを選ぶようなときにも使用しやすいです。
「(ⅱ)比べる」で書く場合、大切なのは「反論(批判)」です。「相手の意見」に「反論」する場合、「前提がおかしい」「理屈が弱い/逆になる」「重要性が低い」といった観点で退けることができます。
〈主な反論の仕方〉
(a)前提の誤りの指摘
相手の前提(理由)が事実として間違っている。
(b)因果関係の脆弱性/逆説性の指摘
相手の理屈にしたがっても、その結論になるとは限らない。
相手の理屈にしたがうと、むしろ逆の結論に至る。
(c)重要性が低いこと/副作用が大きいことへの指摘
相手のプランでは大きな効果が得られない。
相手のプランはコスト(お金・時間・手間)がかかりすぎる。
相手のプランは副作用(被害)が大きい。

相手の意見に明確な反論をしにくい場合は、(c)が便利です。「重要性」という考えを持ち込み、自分の意見のほうがより重要であることを示すのです。
たとえば、「A案」と「B案」のどちらかをとらなければならない場合、「A案のメリット」を「B案のメリット」が「上回る」という観点で書くことも可能だということです。
「重要性」を考える際には、「効果」「コスト」「副作用」などを考慮するといいですね。「A案よりもB案のほうが効果が大きい」「A案よりもB案のほうが費用がかからない」「A案よりもB案のほうが副作用が生じにくい」など、「重要性」の観点から「B案」側に立つことができます。
(ⅲ)つなげる Cause/Effect
「課題解決型」に向いている書き方です。
「原因を探る」または「効果を予測する」、あるいは「その両方」について述べます。
社会的に困っていることが起きていて、それに対する「プラン(解決策)」を示す場合に用いやすい書き方です。その「困っていること」が発生している原因や経緯に言及することができれば、それをなくすプランを出せばよいことになります。

社会学系の小論文では推奨されることが多い書き方です。
ただ、小論文というものは、常に「プラン」を出すものとは限らないので、文学系の小論文の場合、(ⅰ)(ⅱ)を使うことのほうが多いです。
個別の事象 Example(Data)
「Warrant」に対応する「例示」や「データ」にあたります。小論文の内容面でのオリジナリティーは、この「個別の事象」にどんなものを書けるかにかかっているので、字数的にスペースがあるなら「必須」のものです。
「例示」と「データ」は役割として本来別のものですが、両方書くスペースはないので、「自説のイメージ性(あるいは確証性)を上げるためのもの」と広く位置付けて、どちらかが書ければOKと考えます。「わかりやすさ」か「もっともらしさ」か、どちらかは追加しましょう。

さきほどのポテトチップの話でいえば、「たとえば、私自身が体験したポテトチップスパーティーでは、A社のポテトチップが最も人気があった」という「体験」を書けば「イメージ性(わかりやすさ)」がアップします。
あるいは、「実際、〇〇県で行ったアンケート結果でも、A社がトップだった」などの「データ」を書ければ、「確証性(もっともらしさ)」がアップします。
構成
ある程度の字数以上(およそ600字以上)になる小論文の場合、パラグラフは3つ以上になります。パラグラフが3つ以上になるのであれば、次の3パートに分けて書きます。
序論 Introduction
本論 Body/Development
結論 Conclusion
パラグラフが3つ以上になるときの基本スタイルは「双括型」です。「双括型」とは、「Claim」が、「最初のパラグラフ」にも「最後のパラグラフ」にもある形式です。

全体のパラグラフが1つか2つになるような「とても短い小論文」でない限り、「双括型」で書く方針を立てましょう。
「とても短い小論文」をどう書けばいいかは最後にまわします。
前述した「5つの要素」を「双括型」における「序論/本論/結論」にあてはめると、冒頭で示した〈推奨スタイル〉になります。
【序論】
論点 Issue 文は複数可
主張 Claim 文は1つ
理由 Reason 文は1つ/シンプルでよい
理由が複数ある場合、その数を示す程度でもよい。
【本論】
正当化 Warrant 文は複数可/Reasonをくわしく説明したもの
個別の事象 Example 文は複数可/Warrantの具体化にあたる関係
【結論】
理由 Reason 文は1つ/なくてもよい
論点+主張 Claim 文は1つ/「一回目のClaim」よりも長くなることが多い

それぞれについて、細かい話は次のとおりです。
序論 Introduction
「序論」には、第一に「論点」が必要です。
大切なことなので繰り返しますが、「論点」は、
(ⅰ)概念整理型
(ⅱ)比較検討型
(ⅲ)課題解決型
のどれかになっていることが望ましいです。
「論点」の次に「Claim」を置きます。「Claim」の文を複数に分けることはしません。「Claim」は一文で書くことが鉄則です。
「Claim」の次に、「理由」について言及します。「理由」はできるだけ簡潔に書きましょう。やや抽象的になってもかまいません。それを「本論」でくわしく説明するからです。

「理由」が複数ある場合は、「理由は2つある」といったように「数」だけ示す書き方でもかまいません。その場合、「本論」のパラグラフの数は「理由の数」と一致させます。
本論 Body/Development
「本論」は、1つ~3つくらいのパラグラフで書きます。理論上は4つ、5つ、6つ・・・といくらでも分けることができますが、「試験の小論文」においては多くても3つまでに落ち着きます。
あくまでも「目安」にすぎませんが、「パラグラフ1つ」はだいたい「200字くらい」になりますので、全体が「600字」なら「全体」のパラグラフ数が「3つ」になり、それゆえ「本論」のパラグラフ数は「1つ」になります。
〈本論のパラグラフ数の目安〉
全体が600字くらい → 本論のパラグラフは「1つ」
全体が800字くらい → 本論のパラグラフは「2つ」
全体が1,000字くらい → 本論のパラグラフは「3つ」
内容としては、パラグラフ1つにつき「Warrant/Example」を書きます。
英語でいう「パラグラフ・ライティング」の手法にならえば、「本論」の「ひとつのパラグラフ」の内部構造は、(本来的には)次のようになります。この場合、「中心」が最も具体的なゾーンになります。
(1)Topic (パラグラフの中での中心文)
(2)Support (個別的事象)
(3)Conclusion (まとめの考察)
しかし、「小論文」でこの書き方を厳密に再現しようとすると、(1)と(3)で書くことがほとんど同じになってしまい「深まりが足りない」とみなされてしまうことが多くなります。
したがって、(1)(2)があればOKと考えて、「Warrant(Topic)→ Example(Support)」と書いたらパラグラフを終わりにしてかまいません。

このように、英作文の場合、パラグラフは「Topic(パラグラフのメインメッセージ)」から始まるのが普通です。
しかし、日本語の小論文の場合、「個別的事象(具体) → 説明(抽象)」の順で書いてもOKです。日本語で書く小論文なら、書きやすいほうで大丈夫ですよ。
ところで、「本論」のパラグラフが「3つ」になる場合、この(a)(b)(c)をそれぞれ書くという方法もあります。
とはいえ、「小論文」の試験において、そこまでの字数があることはまれです。800字程度の一般的な小論文においては、議題に応じてどれか使いやすい考察方法を使用しましょう。
結論 Conclusion
「結論」は「まとめ」です。
最初に確認したように、小論文で必須の要素は次の3つになります。
(1)論点(議題・問題) Issue
(2)主張(結論・答え) Claim
(3)理由(論拠・根拠) Reason
この3つについて、工夫してまとめていれば「結論」の役割を果たしていることになります。
ここで確認してきた「双括型」の小論文は、「結論」に入る前にほぼすべての論点を言い尽くしていますから(言い尽くしていなければなりませんから)、「結論」に書くことは、意味的には「ここまでに言ったこと」の再提示です。
よくある書き方としては、「Warrant」を概括化(一般化)すると「Reason」になりますので、それを「1つ目の文」に書いて、「2つ目の文」で「Claim」を再提示しておけばOKです。どちらかの文で、簡潔に「題材」についてもふれておきましょう。一般的には「Claim」の文に含みます。
「結論」で書くことは、「意味内容」としては一度述べたものになりますが、表現自体の「長さ」「ことばづかい」「強調の程度」などには変化があったほうがいいです。
基本的には「序論(Introduction)」は「紹介(Information)」とも言えますから、
序論は「あっさり」
結論は「しっかり」
という関係になりがちです。
たとえば「1回目」では「熟語」で示したものを「2回目」では「説明表現」にしたり、「1回目」には書かなかった修飾句を「2回目」に付記したりします。そのため、たいていは「2回目のReason/2回目のClaim」のほうが長くなります。
字数が足りなければ、理由については特に言及せず、「論点+主張」の一文で「結論」を構成しても問題ありません。

以上のように、全体のパラグラフが3つ以上になる場合には、基本的に「双括型」で構成しましょう。
以下には、「とても短い小論文」の場合の構成をみておきます。
とても短い小論文の場合(パラグラフが1つか2つ)
頭括型(演繹的に書く)
「双括型」における「3パート目」にあたる「結論」を書かないものを【頭括型】といいます。たとえば、全体が2つのパラグラフになるのであれば、次のように構成できます。
〈第1パラグラフ〉
論点 Issue
主張 Claim
理由 Reason
〈第2パラグラフ〉
正当化 Warrant
個別の事象 Example/Data

「Claim」をひとまず「定理」と考えて、説明を経て「個別の事象」に当てはめていく構成になるので、いわば「演繹的」な流れだと言えます。
尾括型(帰納的に書く)
逆に、「Claim」が最後にだけ登場するのが「尾括型」です。
先ほど話題に出た「序論/本論/結論」という構成にあてはめると、ちょうど「問題/論拠/答え」になります。小論文の習い始めのときは、短い字数から始めることもあり、この構成で学び始める場合も多いといえます。
序論 題材(問題)
本論 論拠(根拠)
結論 主張(答え)

日本の「思考形式」は、「個別の事象」から「論点」を抽出して、一般性のある主張につなげていくことが多いので、「尾括型」は「日本の伝統的な考察形式」であるともいえます。
「具体的事象」をヒントにして、推論的に「抽象的意見」を考えていくので、いわば「帰納的」な展開ということになります。
状況次第では、次のように「個別の事象」そのものが「Issue」となり、最初に出てくることもあります。
(1)個別の事象 Issue
(2)事象から考えたこと Warrant
(3)(2)から推論できること Reason
(4)(3)を理由として導かれる主張 Claim

「あなたの経験をひとつ挙げて、そこから学んだことを述べよ」といった「設問」である場合、「個別の事象」そのものを「Issue」にして、「そこから得たもの」を考察して、「最後に主張としてまとめる」という書き方もできます。
その場合の「個別の事象」は、「意見を支えるための例」というよりは「それについて論じる題材そのもの」ですよね。
なお、この「Claim」を最後に述べる「尾括型」も、「全体のパラグラフ数が2つ」くらいまでの「とても短い小論文」のときだけ使用するようにしましょう。
「パラグラフが2つ」くらいまでの小論文であれば、読者も「一気に」読むことができますから、「Claim」が「最後にだけある」という構成でも問題ありません。
しかし、「全体のパラグラフが3つ以上」になる小論文は、「ゴール」が見えないまま読み進めるのは読者のストレスになりますので、「尾括型」をベースにするにしても、序論で「Claim」を書いておくほうがいいです。

したがって、パラグラフの数が3つを超える場合は、双括型で書くことを基本方針にしておきましょう。