パーソナリティー
【東国武士】 司会進行的な役割
【みみながいぬ】 あしが短くて耳が長い。論理的思考力がなくもない。
【さすらいねこ】 いろいろさすらっていたねこ。発想力が豊か。
重要テーマ雑談:文化
ドーナツを買ってきたよー
▲◇×~!!
喜びの叫びだね。
そうだよ。
でも困ったことがあって……
なに?
お店が、サービス品をふたつくれたんだ。すると、割り切れなくなっちゃった。
買ってきてくれたんだから、ひとつは東国武士が食べるべきだよ。
そうだね、問題は、残されたひとつだ。
じゃあ、お言葉に甘えて。
残ったひとつは半分こして食べなよ。
・・・・・・いや、われわれの辞書に引き分けという文字はない。
・・・・・・そう、そのとおりだ。
昨日の金曜ロードショーで『許されざる者』をやっていたからって、影響受けすぎだよ!
こっちは、モーガン・フリーマン・・・・・・
こっちは、クリント・イーストウッド・・・・・・
酔いしれすぎだよ!
東国武士、これは、決闘なんだ。やるか、やられるか、なんだ
そう、オール・オブ・ゼムなんだ!
かっこいいセリフのところだいなしだよ!
それを言うならオール・オア・ナッシングだよ!
オール・オア・ナッシングなんだ!
何事もなかったように修正している!
しかたない、十円コイントスで決着をつけよう。
望むところだ!
じゃあ、東国武士がトスをしよう。
やあー・・・・・・、はい! どっちだー!?
ラフ(裏)!
スムース(表)!
・・・・・・【10と書いてあるほう】だ! やった!
いや、【10と書いてあるほう】は裏だ。
【のっぺりとした建物のほう】が表だ。
そんなばかな!
【のっぺりとした建物のほう】が表なの?
そもそも、この【のっぺりとした建物】ってなんだ?
それは【平等院鳳凰堂】だよ。
こんな建物、イタリアやスペインにはなかなかないよ。
そっちもさすらってたんだ。
むこうは、【ピサの斜塔】や、【サグラダ・ファミリア】とか、【縦にドーン】って建物は多いけど、【横にのっぺり】はあんまり見なかったよ。
日本の古い建物は、【縦にドーン】のほうが珍しいよね。
そうだね。
塔はあるけど、五重の塔、三重の塔、といったみたいに【重】になっていて、一定間隔に屋根をつけているよね。あえて、【縦にドーン】っていうふうにしていないように思えるよね。
言われてみればそうだね。
ここでよく指摘されることは、宗教の問題だね。
西洋にはもともとキリスト教があって、【天にましますわれらの神よ】と祈るように、キリスト教の神は【天】にいる。
でも、日本は昔から、神は自然の中にいるとされてきた。
【八百万(やおよろず)の神】という言葉は、自然のいたるところに神様がいるということを意味していて、このことは建築にも大きな影響を与えたと言われているんだね。
納得おとく。
西洋文化にとって、高い塔をつくることは【神に近づくこと】だったんだね。
逆に、木や花や土に神がいると信じてきた日本人にとって、地面から離れることは不安だったんだろうね。縦の線よりも横の線を意識した建築が主流になっていくのも、そういう精神のあらわれかもしれない。
三十三間堂や平等院鳳凰堂など、異様に横長な建物を西洋で見つけることはほとんどないよね。
人は土を離れては生きていけないのよ!
シーター!
パズー!
どうしちゃったの? 突然!
『天空の城ラピュタ』の名セリフだよ。
そう考えると、ラストで天に昇っていくラピュタと、地面という自然に戻っていくパズーとシータは、ある意味でキリスト教と日本的自然信仰を同時に描いていると言うことができそうだね。
深いね。ラピュタ。
ラピュタはそれだけじゃないんだ。
パズーとシータは、【機械】を使用しながらも、それに頼りきらない。これは、【機械】に頼りきっている現代のわれわれへの警告かもしれない。
最後の、銃を向けるムスカと銃を捨てるパズーの対比にも、【機械】とか【文明】とかに対する批判的なメッセージが込められていると思うんだ。それから・・・・・・
さすらいねこがラピュタについて話し出すと2・3時間かかるよ。
コイントスはもういいの?
・・・・・・忘れてた!
結局、表と裏は、どっちが言っていることが正しいんだろう?
じゃあ……、それを十円コイントスで決めよう!
望むところだ!
決着つかないよ!
・・・・・・あ、そうか、裏と表をはっきりさせないとね。
二人が白熱しているから、なかなか言い出せなかったんだけど、平等院鳳凰堂のほうが表で、十円と書いてあるほうが裏なんだ。
日本の硬貨は【年号が書いてあるほうが裏】っていう決まりがあるらしいね。
ちなみに、海外のコインは人の顔が書いてあるのが多いんだけど、そっちが表、反対側に金額が書いてあって、そっちが裏だね。
・・・・・・でも、どっちがどっちを選んだか忘れちゃった。
もう半分こして食べなよ!