『現代文の解法(東京大学への道)』

『現代文の解法(東京大学への道)』

採用している過去問の年度は古いものの、「制限時間内で書ける良質な解答例」がこれほど掲載されている書籍は他にありません。古いといっても、2000年代の問題の傾向は概ね同じであり、「答案の作り方」の考え方はまったく同じですから、年度が古いことに特別な不利益はありません。示されている「解答例」は、「高得点水準」のものと、「平均点水準」のものとが混在していますが、解き方が一貫しているので、「一貫した方法論を用いて解くと、結果的に、平均点水準の答案~高得点水準の答案ができあがる」ということが勉強できます。小問4つのうち、2問が平均点水準で、2問が高得点水準だと、総合的に上位得点者になります。

「受験生目線」という立ち位置から作られているので、「高得点」になっていない答案もありますが、本書はむしろそれを意図しているところがあります。

「完璧でなくてもいいからプロセスを守って書けばよい」ということを学ぶにはうってつけの本です。