旅をする木

重要漢字

本文中の「重要漢字」を示しておきます。

現代文の正解の条件

現代文の設問に対する「正解」については、「応答(核心)」「論理(構文)」「表現(客観)」の3つの観点が大切です。

①応答(核心)

◆出題意図をつかんでいる。

とにかく設問の要求に素直に応答しましょう。

問いに条件があれば、その条件を守っていることが大切です。

単純な「どういうことか」の傍線部問題であれば、傍線部内の「最も意味不明なところ」をしっかり説明することが大切です。

◆答案に使用すべき表現を文中から適切に取り入れている。

答案のすべてが「自分のことば」になる問題というのはまずありません。

原則的には本文中の語句を利用して答案を作成していきます。

②論理(構文)

◆主語→述語の論理関係が本文(傍線部)と整合している。

字数の都合で「主語」をカットする可能性はありますが、「述語」のない答案になることはまずありません。

特に「どういうことか」という傍線部問題であれば、傍線部のある一文の「主語ー述語」と、答案の「主語ー述語」の内容が一致していることが大切です。傍線部と答案の「表現」は異なりますが、「意味内容」は同じものになります。

◆対比構文・因果構文が必要な場合、それが本文と整合している。

「対比の構文」は、「AではなくB」「AよりもむしろB」といったものです。

「因果の構文」は、「AであるためB」とか「AによってB」といったものです。

特に長い字数の記述問題の場合、答案が「対比」や「因果」の構文になることが多くなります。その際、「A⇔B」の関係や「A→B」の関係が本文と一致していることが重要です。

③表現(客観)

◆比喩や具体例が答案に残っていない。

答案の下書きを書いた際に、「比喩」や「具体例」が混入していないか注意しましょう。

「比喩」も「具体例」も「読者にイメージさせるためのもの」であって「筆者の主張そのもの」ではありませんので、そのまま使用することはできません。

「比喩」「具体例」は、「それによって何が言いたいのか」というほうを書きましょう。

ただし、「比喩」や「具体例」を書くように指示されている場合は別です。

設問によっては、「説明」のほうに傍線を引き、それに該当する「比喩」や「具体例」を指摘することを求める場合があります。

とにかく、「設問の要求や条件を守る」ということが最優先です。

設問(1)

◆15行目に、「ある人」のセリフがそのまま書かれていますので、その論点が「核心」になります。

そのセリフにある「自分が変わってゆくこと」という情報が入っていない選択肢は失格です。

その観点でみると、「自分が変わっていく」という情報を入れている選択肢は「ウ」しかありません。したがって、「ウ」が正解です。

記述問題であれば、「自分が変わってゆくこと」とそのまま書けばよいのですが、選択肢問題の場合、さらに言い換えた表現に直すことが多くなります。

すると、その「言い換えた表現」そのものは本文中に存在しない表現になります。

これを「本文に書いていない」と考えて×にしてしまうことは避けましょう。

ある選択肢の「表現」が本文中に存在しなくても、「同じ意味内容」が本文に存在していれば〇になる資格があります。

「選択肢ウ」の「自分自身を豊かにしていく」という部分は、「表現そのもの」は本文中にありませんが、「15行目」のセリフの中にある「自分自身が変わってゆくこと」を言い換えたものとして理屈が通ります。したがって、×にはなりません。

記述問題であれば「自分が変わってゆく」とそのまま書けばいいのですが、選択肢問題の場合、本文の語句をそのまま使用しない傾向がありますので、「言い換え」には注意しましょう。

選択肢について

では、選択肢を見比べていきましょう。

まずは「間違いのパターン」を見ておきます。

選択肢の間違いパターン

①答えていない(非対応)
  ◆主題(主語)が違う(まったく違う話をしている)
  ◆中心論点の欠如(必須の論点を入れていない)

②書いていない(無根拠) 
  ◆意味内容が本文にない。

③食い違い(矛盾・逆)
  ◆肯定・否定の反転(本文でほめているものを選択肢でけなしているなど)
  ◆対比の混在(本文で対立しているほうの情報を入れてしまっている)

④言い過ぎ(過剰)
  ◆過剰に範囲を広げすぎたり、限定しすぎたりしている。
   (「すべて」「のみ」などがある場合は注意)

⑤言い足りない(具体的列挙の部分取り)
  ◆具体的な表現が列挙されている部分について、その1つだけを書いてしまう。
    「うどん・パスタ・ラーメン」などと並んで書かれているもの答案に入れる際、
    「ラーメン」だけを書いてしまうようなケース

設問(1)の選択肢を見ていきましょう。

選択肢検討

「ア」

「自分の絵や言葉の能力を高めることによって」が「根拠なし(本文に書いていない)」です。

また、この選択肢には、「自分自身を変える」という「答案の核心」がありません。

「イ」

選択肢全体が「根拠なし(本文に書いていない)」です。

また、この選択肢には、「自分自身を変える」という「答案の核心」がありません。

「ウ」

正解です。

「エ」

選択肢全体が「根拠なし(本文に書いていない)」です。

また、この選択肢には、「自分自身を変える」という「答案の核心」がありません。

設問(2)

傍線部②では、具体的な体験(映画館の体験)が書かれています。

次の段落では、やはり具体的な体験(北海道の体験)が書かれています。

本文での役割上、これらは「具体例」の扱いになります。

「具体例」というものは「筆者の言いたいこと」を「読者にイメージさせるため」の「追加情報」なので、「具体例」の前後には「筆者の言いたいこと」があるはずです。

今回の場合は、25行目に、

自然を違った見方で意識する出来事がいくつか自分にもあった。

と書かれていますね。

その「出来事」について、具体的に例として挙げたのが、「映画館の体験」であり、「北海道の体験」なのです。

「自然を違った見方で意識する」という部分がちょうど13字なので、これが正解です。

設問(3)

傍線部は「具体例」の内部に引かれています。

ということは、この設問の解答は、この具体例にかかわっている部分から出せるはずです。

次の段落に行ってしまうと、「北海道の体験」という別の話題になっていきますので、次の段落まで探しに行く必要はありません。

35行目には、

当時チャンバラ映画ばかり見ていたぼくは、突然、世界の広がりを見せられたのだ。

と書かれています。

「のだ」に注目してください。

統括文

~a~。

~A~のだ

という関係になっている場合、「a」は例示的表現、「A」は主張になりやすい。

特に、「つまり、~A~のだ。」というように、「つまり」があるときは、いっそう重要度が高い文になる。

「のだ」のかわりに、

「のである」
「のではないか」
「のです」
「ということである」

といった文末表現がある場合でも、同じ構造だと考えてよい。

実際に、ここでは、「世界の広がりを見せられたのだ」という部分が、「筆者の言いたいこと」として機能しています。

「世界の広がりを見せられた」という部分がちょうど12字なので、これが正解です。

設問(4)

とにかく、まず何よりも優先されるのは「応答性」です。

つまり、「問いに対応して答える」ということが最重要なのです。

ここでの「傍線部④」は長いので、「答えるべきことの核心」がつかみにくいように思えるのですが、設問に書かれてる条件を見逃さなければ、解答の方向性をつかむことは容易です。

設問にはこう書いてあります。

「ぼく」のこの気持ちを言いかえていることば

ここには「気持ち」と書いてあります。

傍線部は長いのですが、その中にある「心情語」はたった1つです。

「不思議でならなかった」という部分です。

設問が要求しているのは「言いかえ」なのですから、「不思議」という心情と「意味内容」は「同じ」でなければなりません

すると、49行目に

「すべてのものに平等に同じ時間が流れている不思議さ」

という表現があることに気が付きます。

「不思議」という心情語については同じ表現になっています。

ちょうど24字なので、これが正解になります。

「不思議」という語はまったくそのままなので、これでは「言いかえ」にならないじゃないかと感じるかもしれませんが、傍線部内にある「そのことがどうにも不思議」という「そのこと」について、言いかえができているとみなすことができます。

ぼくが東京で暮らしている同じ瞬間に、同じ日本でヒグマが日々を生き、呼吸をしている……確実にこの今、どこかの山で、一頭のヒグマが倒木を乗り越えながら力強く進んでいる……

という部分と、

すべてのものに平等に同じ時間が流れている

という部分が「言いかえ」として成立しているということです。

「言いかえ」というのは、「同じ意味内容」の「別表現」ということです。

今回の問題における解答は、「不思議」ということばがそのままなので、「ここでいいのかな?」と思ったかもしれません。

しかし、「不思議」と思った内容について、傍線部では「具体例のような書き方」をしていて、49行目では「説明的な書き方」をしています。

「同じ意味内容について別の表現をしている」と言えますので、

すべてのも~る不思議さ

が正解になります。

設問(5)

この問題は、通常の問題とは逆で、「たとえ」のほうを聞いている問題です。

たいていの問題は「たとえ」に線を引いて、「説明」のほうを答えさせますが、この問題は逆ですね。

あわてて「たとえ」を探しに行くのではなく、設問をよく読みましょう。設問には「距離」と書かれていますので、「距離」について述べられている比喩表現を見つける必要があります。

すると、58行面に、

クジラの息が顔にかかってくるような近さ

という表現があります。

「ような」という「比喩の目印」がありますね。

このように、「ような」「ようだ」「ごとし」「まるで」などの語句を用いて、「比喩であることがすぐにわかるように書かれている比喩表現」のことを「直喩(法)」と言います。

内容的にも、まさに「距離」について語っていますし、字数もちょうど19字なので、

「クジラの息~ような近さ」

が正解です。

設問(6)

傍線部の直前に着眼すると、

私が東京であわただしく働いている時、その同じ瞬間、もしかするとアラスカの海でクジラが飛び上がっているかもしれない、それを知ったこと……

と書かれています。

この青字の部分で解答を作ればいいですね。

「もしかすると」「かもしれない」を入れると20字を超えてしまうので、そこをカットします。

アラスカの海でクジラが飛び上がること。

が正解です。

この設問は「抜き出し」ではないので、「アラスカの海」「クジラ」「飛び上がる」という語句が答案内に存在していて、かつ、正しい文になっていれば正解です。

設問(7)

ひとつひとつ見ていきましょう。

「子どもの頃に」が「根拠なし」で×です。

自然との関わり方によって、世界の認識の仕方が変わってくるという部分は、筆者の考えと合っていますが、それは「子どもの頃」に限定されるものではありません。

 

筆者が述べていることと整合しています。正解です。

「身近に感じるようにすべきだ」とまでは言っていません。「根拠なし」で×です。

一見正しいように思いますが、「動物たち」に限定している点が×です。

6行目では「星」について話していますから、「動物」とは限らないのですね。

ことばの教室

ページの最後にある「ことばの教室」の答えも示しておきます。

ただし、期末試験において、「夕刊とたこ焼き」「旅をする木」についての漢字の設問は、「授業中にスライドで示した漢字」から出題します。

(1)よし

(2)い

(3)ろじ

(4)めった

(5)かんらく

(6)おこ

(7)あっとう

(8)いっしゅん

(9)こころ

(10)腕白